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デジタルサイネージコラム

コロナ禍で読み解くデジタルサイネージ活用のヒント!

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昨日発売の「週刊ダイヤモンド2021年1月23日号」は読んでいただけましたでしょうか?
タイトルは「デジタルサイネージでリアル店舗をメディア化し、商品やブランド価値を高める」です。
本紙面の見開きで私の記事が掲載されていますので、是非ご一読ください!


つい先日、2度目の緊急事態宣言が発令され、あらゆる商業が再び厳しい環境に陥っているのは言うまでもないでしょう。

この厳しい状況の中で、さらにeコマース市場の急成長(ネットで何でも買える時代)で実店舗ニーズの低下という事もあり、まさに暗黒時代に突入しています。

特にリアル店舗は今、このeコマースとどう共存していくか?という課題に陥っているのではないでしょうか?

これらの要因はすべて「消費者の行動の変化」が起因しています。
例えば、「無意識に密を回避する」や「手洗い消毒、マスクの着用」などです
「新しい生活様式」ですね。
しかし、行動は変わっても、「物を買いたい」「旅行に行きたい」「食べに行きたい」
という「消費者の心理」は変わったわけではありません。


GoToトラベルやGotoEatが開始されたときの各地の混雑を見ると、これは証明できていますよね。

ここで読み解けるのは、生活様式が変化しても根底にある消費購買心理は変わらないという事です。

ただ、これはコロナの影響による一時的なもので、誰もが望んでいる生活習慣ではありません。
皆大きなストレスになってしまっていえる現象といえるでしょう。


この事から、一般消費者のニーズが減っているわけではないという事が1つのポイントではないでしょうか?

実施にEコマースでの消費は便利ですが、実際に見て、体験して購入できないため、失敗を経験されている方も多いのではないでしょうか?また、店舗で購買する時の「ワクワク感」みたいなものが希薄で、決して楽しさがあるわけではありません。

やはり、自分が本当に欲しいものは自分で見て体験した上でよく検討してから購入したいのです。
そのため、リアル店舗の需要が今後減ることは、おそらく考えづらいでしょう。


ただ1点だけ、「消費者の行動の変化」で無意識に新しい生活様式となっているため、安全を徹底していたとしても、コロナ以前の「ふらっと立ち寄る」「いろんな店にとりあえず入ってみる」という行動が減ってしまうのではないでしょうか?

要するに目的以外の店はスルーされやすくなるという事です。

このことから、今後は目当ての店舗に来て、見て体験し、検討期間を経てEコマースで購入するという
流れに変わっていく事が予測されています。


Eコマースでの課題や現代のストレス回避を超えたのちにリアル店舗の役割は非常に大きいといえるでしょう。

これからは時代変化に対応した店舗づくりが必須

・店舗に入っていただく、興味をもっていただくための仕掛け
・入店後にファンになって頂くためのその店舗にしかない仕掛け
・ネット(eコマース)では表現できないリアルな体験と付加価値の創造
・安心・安全対策の定量化(集客コントロール)



この4点鍵を握るのはデジタル要素です。
これを私たちは「店舗のデジタル化」と定義しています。


店舗のデジタル化の主役こそがデジタルサイネージ

店舗のデジタル化に必要な要素はバックエンドのシステムも重要な要素ですが
メディア化という言葉を使う場合にフロントエンドの「見た目」が最も重要な役割を果たします。

例えば、店舗に入っていただく・興味をもっていただくにはその店がどんな店か?何が体験できるか?
を店の外(広範囲)に分かりやすく伝える必要があります。


また、店舗に入ってからは店舗内で「そこでしか体験できない」「ワクワク感」を与え、例え来店時に
購入しなかったとしても、持ち帰ってEコマースで買っていただくために「ファン」になっていただく「しかけ」が必要になります。


そして、良い店である以上に「安心・安全」はあたりまえでお客様に不信感を与えてはいけません。

また、これらはデジタル機器を導入したから解決できる課題ではありません。当然今までと異なる
「人の役割」が必要不可欠です。


店舗のデジタル化=「デジタル」と「人」の共存です。

 デジタルに任せられる事はデジタルで行い、人にしかできない事は人が行うという役割分担の明確化が重要です。

これらの要素を唯一解決してくれるのは「デジタルサイネージ」といっても過言ではありません。

昨今のコロナ禍で業績を安定させ、成功している企業のほとんどが、必ず先手を打ってこの4つのテーマに取り組んでいます。

ここで注意が必要なのは、間違った概念で定着してしまった「デジタルサイネージ」ではないという事です。

デジタルサイネージはディスプレイの事ではなく「膨大なマーケティングデータの中からターゲットに対して適切にビジュアル化されたメッセージをどんなロケーションでどんな表示装置を使って訴求するか?というストーリーから成り立ちます。


※デジタルサイネージの定義はコラム・特集記事「デジタルサイネージとは?」を合わせてご覧ください。


ただディスプレイを導入して、在り物の動画や静止画を放映していても何の効果も得られません。
デジタルサイネージという商品を購入するイメージで導入すると必ず失敗します。


「店舗のデジタル化」を実行するにはデジタルサイネージを店舗だけではなくブランド全体論として融合した上で「わくわく感」を出し、「ファン」を獲得する必要があるための仕掛けが必要です。

当然これは簡単な事ではなく、それなりの時間と投資が必要になってきます。

しかし、その店のコンセプトが「体験型」になった場合、そこからEコマースヘの流入から売り上げにつながるなど全体の関係性を読み解くと、今までのような店舗数の分布ではなく、いかに基幹店舗の設計をするか?ではないでしょうか?

そこでの「話題性」「エンターテインメント性」に加えて「体験型」として、ファン層を獲得していけば、そこで直接購買に繋がらなくとも、ブランド認知と商品認知は当然、体験の記憶を「商品やサービスの検討候補として個々が持ち帰り、小型店、Eコマースでの売り上げに繋がっていくという、構図が想像できるのではないでしょうか?。

いずれにせよ、コロナでマーケティング方法が大きく変わることは間違いないので、いち早く戦略的なデジタル施策で「新しい買い物体験」を提供する準備をしてみてはいかがでしょうか?

店舗のデジタル化をテーマに弊社がプロダクト化した「Virtual Character Talk

また、デジタル施策は従来のように2~3カ月前から内容検討していては到底間に合いません。

情報伝達の即効性があり効果的なLEDビジョンを使ったデジタルサイネージの準備には4~5カ月程度を目安で、マーケティング分析や効果的なクリエイティブにも半年は準備期間が必要となります。

コロナ禍でリセットされたマーケットへの対応は誰もが同じ立ち位置からのゼロスタートです。

市場をいち早く読み解き、いかに早くデジタル化を計画するか?が今後の商業全般のキーワードではないでしょうか?

エヌエスティ・グローバリスト株式会社
デジタルサイネージ事業部
アソシエイトクリエイティブディレクター
加藤 純通

 

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