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デジタルサイネージコラム

屋外でデジタルサイネージを使う際、何に気を付ければいい?

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デジタルサイネージと言えば室内で利用されているイメージですが、屋外でも多くのデジタルサイネージが活躍しています。特に「集客」や「広告」というキーワードを使うと外の方が圧倒的に人も多く、効果が見込まれる屋外の方が利用用途が多いともされています。

今回は屋外でデジタルサイネージを使いたい方に向けて、注意点などをご紹介していきたいと思います。

 

■デジタルサイネージのタイプや設置方法について

 

屋外にデジタルサイネージを設置する際は、次の項目を意識する必要があります。

 

・明るさについて

屋外に設置するデジタルサイネージの重要なポイントの1つに「明るさ」があります。

一般的に屋外では2000cd/㎡の明るさが求められます。この明るさに満たない場合、映像が見えづらくなってしまうので注意が必要です。また、昼間に見やすい明るさでも夜になると眩しすぎるため、輝度の調整も必須項目になります。設置場所や環境に適切な明るさになるよう調整しましょう。

 

・屋外環境をきちんと理解して設置しよう

屋内用のデジタルサイネージを屋外用として使用するのは避けましょう。

基本的にデジタルサイネージ設備のディスプレイやSTBなどは通常は屋内の環境で利用するために作られています。そのため、外にそのまま設置するとすぐに壊れてしまいます。

当然、雨や埃についても通常の屋内製品は対策されていたいため、屋外では使うことができません。

この場合、以下の項目についての対策が必須となります。

 

○雨や水滴が入らない

○直射日光による液晶温度上昇を避けられる

○温度幅による結露が起きない

○外気温は冬場のマイナスから夏場の40℃以上(この場合のアスファルトの反射熱は55℃以上)の温度環境に対応できる

○人がぶつかっても怪我をしないような安全対策

 

これらを網羅するには、防水防塵仕様の筐体にエアコンを内蔵して設置する場合がありますが、エアコンは消費電力が著しく高いため、電気料金が高いというデメリットもあります。当然エアコンが故障した場合は中身が全て故障するという事もあります。

 

その他、屋外環境では風による風圧対策や、雷に対しての対策、電気ノイズの対策、などの環境要因に対する対策や、設置場所の「景観条例」に基づく対策(色や筐体面積など)の他、いたずら防止の対策など、通常の屋内環境に比べると、対策すべき項目が沢山あります。専門知識が無い場合、リスクが高いため、必ず専門知識がある会社に相談して、導入を検討しましょう。

 

・屋内から外に向けての設置も注意が必要

 

設置場所がショーウインドウなどの屋内で、外に見せる場合も注意が必要です。

このような場合でもディスプレイの明るさだけでなく、ディスプレイは太陽光(紫外線と赤外線)が液晶にあたると、液晶の温度が上昇して固まる(液晶黒化現象)を引き起こし、故障してしまいます。

 

このように屋外は想定外の要因が沢山隠れています。

屋外でのデジタルサイネージを検討する場合は、専門知識がある、または導入実績がある会社に依頼しましょう。

 

■高い効果を得るためのポイント

 

最後に屋外用デジタルサイネージで高い広告効果を得るための方法を4つのポイントに絞ってご紹介いたします。

 

・設置する目的をはっきりさせる

屋外用・屋内用を問わず、デジタルサイネージの設置目的を明確にさせることは大切です。

目的が明確であれば、どのような情報を入れるべきか、配信するコンテンツには何が相応しいのかなど思考がまとまりやすくなります。

動画だけでなく静止画なども取り入れて、分かりやすい内容のコンテンツ作りを目指しましょう。

 

・動線を意識して設置場所を決める

動線や視界に入る距離を意識しましょう。

一般的に人がディスプレイを見るために適切な距離は4~5mとされています。

それよりも離れた距離からコンテンツを配信する場合は、文字の大きさや演出方法を工夫し、目を引いてしまうような迫力のあるコンテンツにすることが大切です。

 

・スマートフォンで出来る事と差別化をする

屋外での情報収集はスマートフォンの利用が圧倒的にスタンダードです。デジタルサイネージならではのコンテンツの見せ方を工夫し、見てもらえる、使ってもらえることが重要です。

 

・多言語対応

グローバル化が進む現代において、単一の言語だけでは情報が足りないと感じることもあります。特に、観光地や主要都市など多くの外国人が訪れる場所では、できるだけ多くの言語に対応したコンテンツの方が重宝されることは想像に難くありません。

また、多言語対応のコンテンツは外国語が不得意なスタッフの助けになることもあります。

 

 

屋外用デジタルサイネージは屋内と違って、より広域に、より多くの人に情報を届ける事ができるため、使い方次第では訴求効果が抜群に高いとされています。その分、特殊な環境要因も多いため、失敗するケースも多く見受けられます。

屋外デジタルサイネージを自信を持って実行できる専門の業者と組んで計画しましょう。

 

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