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デジタルサイネージコラム

5Gで空間演出はワンランク上に!これからの空間演出とは

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いよいよ日本でも本格的に使用がスタートする5G。大容量のデータをハイスピードでやりとりできることで、IT関連だけでなくネットが普及している民間でも大きな話題となっています。デジタルサイネージでの利用もより便利になるといわれていますが、空間演出ではどのような変化があるのでしょうか。

今回は5Gが空間演出にもたらす変化をご紹介します。

 

 

■場所別!デジタルサイネージを空間演出に使うメリット

 

デジタルサイネージは多くの分野でマーケティングや情報提供などに活用されています。

活用方法の一つである空間演出は、公共の場のほかオフィスやアミューズメント施設など様々な場所で行われています。

まずは場所別に、デジタルサイネージを空間演出に用いるメリットをご説明いたします。

 

・病院で使えばストレス軽減に

病院を訪れる患者の心理的不安を和らげる方法として、待合室に設置して診療案内とともに美しい自然の風景を流すといった活用法があります。病院の内装は単色で構成されている所が多く、美しい映像を流すと高い注目度を集め、待合室が華やかになります。

 

・立地が悪くても景色が楽しめるホテルに

都市部にあるホテルは周辺がビルに囲まれているため、美しい眺めを楽しめないのは珍しいことではありません。高層階であれば夜景を楽しむことができるかもしれませんが、下の方の階やロビーの場合、ゆっくり景色を楽しむことは難しいでしょう。

空間演出としてデジタルサイネージを窓の代わりに設置すれば、自然の風景や夜景を映して楽しむことが可能です。また、ロビーでは映像を流すだけでなく周辺の観光地案内や、天気予報などの情報を流すことでユーザーライクなホテルになります。

 

・企業やオフィスのブランドイメージづくりに

企業やオフィスのエントランスにデジタルサイネージを導入すると、企業情報や企業のイメージ動画、携わった事業の様子を動画として流すことができます。訪れる外部の人はコンテンツを見るだけでどのような企業なのかがすぐに理解できるうえ、自社の強みや特性をアピールすることもできます。デジタルサイネージの導入は、企業のイメージアップやブランド力を高めるというメリットがあります。

 

 

■5Gが導入されることで訪れる変化とは

 

次世代通信の5Gと空間演出を絡めると、今後どのような変化が訪れると予想されているのでしょうか。

 

・大容量で高精細なコンテンツの配信が可能に

今のネットワーク回線ではバーチャル空間と現実世界を融合させた空間演出が開催される場合、再現に限界があります。たとえば主催者とユーザーが自由にコミュニケーションできるような多接続システムを取り入れても、高精細でなければ臨場感が足りなかったり、データが重たく遅延してしまったりと、リアルタイムでの反映が難しくなります。

5G通信が一般的になると、大容量のデータでも高速通信ができるようになるため、凝った空間演出や情報量の多いコンテンツ配信が不自由なく楽しめるようになると予想されます。

 

 

・小さな空間でも楽しめるコンテンツが増える

デジタルサイネージを導入することで奥行きなどの演出が可能になるため、小さな空間では諦めざるを得なかった演出が可能になります。最近、新型コロナウィルスの影響により、ライブやコンサートを行えなくなったアーティストが小さなライブハウスで無観客ライブをネット配信していますが、大きな会場で行うライブに比べると迫力に差が出てしまいます。5Gを活用することで多彩な演出が可能になり、結果、小さな会場でもデジタルサイネージを使って迫力のある空間演出ができるようになります。

 

・触れる空間演出が可能になるかもしれない

最近話題になっている空間演出の方法で、ミストを使った「触れる映像」があります。

ミストを使うことで立体映像や大きな映像を空間上に浮かび上がらせることが可能になり、触れることで映像が変化する様子を楽しめるのが特徴です。

ただし、このミストを使った空間演出は即応性が求められます。通信速度が遅い現在の回線では活用の幅が狭くなってしまいますが、5Gが国内のインターネット回線の主流になると、多くの施設や店舗がミストを使った新しい空間演出を導入しやすくなり、多くの人が楽しめるようになると考えられています。

 

 

■デジタルサイネージで空間演出を成功させた事例

 

 

最後にデジタルサイネージで空間演出を成功させた3つの事例をご紹介いたします。

 

・トップランナーと競争!

大手スポーツ用品メーカーのAsicsは、ニューヨークマラソンに合わせてアメリカの地下鉄内の通路にトップランナーと18M競争ができるデジタルサイネージを設置しました。

老若男女問わず多くの人々がこのコンテンツに挑戦し、注目を集めていたようです。

 

・客室で夜景が楽しめる客船

世界最大の客船をはじめ26隻もの大型客船を保有する「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル」。窓がない客室内に巨大なスクリーン型デジタルサイネージを設置し、船外の風景をリアルタイムで映し出すサービスを提供しています。

壁だけでなく床や天井にもサイネージを設置し、解放感と大自然の息吹を感じられる感動のコンテンツを配信、非常に人気が高いとのことです。夜になると星空の映像も楽しめるため、自分が船内にいることを忘れそうになるようです。

 

・訪日外国人に大人気!日本のレストラン

日本では、訪日外国人に非常に人気の高い和食ブッフェレストランの空間演出がたいへん話題となりました。

北海道の札幌・すすきのにある「ジャパニーズビュッフェダイニング伝」は、なんと壁の一面を全てサイネージにしています。ディスプレイには海の中や大自然の森の映像が流れ、幻想的な動物たちがひょっこりと顔を覗かせます。見ているだけでわくわくするような映像は年齢、性別、国籍を超えて大人気とのこと。レストランの世界観やコンセプトを感じさせるこのコンテンツは、食とエンターテインメントの融合といってもいいでしょう。

 

 

デジタルサイネージで空間演出を行うことにより、ユーザーに新たな楽しみという付加価値を提供することができます。日本でも5G通信が一般的になれば、今後さらに多くの企業や店舗が趣向を凝らした空間演出として独自性のあるコンテンツを配信するようになるでしょう。

 

 

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