デジタルサイネージコラム
■空間演出にデジタルサイネージを導入した実例
まずは空間演出にデジタルサイネージを活用している事例をご紹介します。
・商業施設の出入り口
商業施設の出入り口は店の印象を決める重要な役割があるほか、施設内の情報を提供する場所としても活用できます。たとえば店舗やブランドのイメージキャラクターを使った動画を配信することでコンセプトが伝わりやすくなります。施設の出入り口にデジタルサイネージを設置すれば時間帯や天候に左右されず、いつでも通行人に対してアピールすることができます。
・カプセルホテルの共有部
「The Millennials」は広い共有部が特徴的なミレニアル世代向けのカプセルホテルです。
渋谷店の共有部にはデジタルサイネージを導入し、近未来感のある演出をしています。高解像度の美しい画像は動く絵画のように空間を彩り、落ち着いたおしゃれな雰囲気を作り上げています。
・人の動きに合わせて変化する空港のデジタルサイネージ
韓国の仁川(インチョン)国際空港には旅客ターミナル内にデジタル体験ゾーンがあり、そこにデジタルサイネージが使われています。床と壁には動きを感知するサイネージがいくつも使われており、歩行に合わせて落ち葉が動く映像など人の動きに合わせて映像が変化する仕組みになっています。空港には国内外から多くの利用者が訪れるので、観光客の期待を高める効果があるといえるでしょう。
■空間演出を成功させるには
空間演出を成功させるための「押さえておきたいポイント」をご存知でしょうか。
・空間演出は8つの要素で決まる
空間演出に大切なポイントは、
①空間デザイン
②内装のデザイン
③インテリアデザイン
④照明デザイン
⑤音響や音のデザイン
⑥映像デザイン
⑦人の動きとリンクしたインタラクティブデザイン
⑧香りのデザイン
以上の8つの要素で構成されます。中でも特に重要なのが空間、照明、音、映像の4点です。デジタルサイネージは8つの要素の中で6番目の映像デザインに当てはまります。音が流れるコンテンツの場合は5番目の音響も含まれます。
・デジタルサイネージを空間演出に使う注意点とは
これまでデジタルサイネージは既存の建物に導入されることが多かったため、一体感のある演出をするには空間演出の専門知識や技術が必要でした。デジタルサイネージを空間演出に用いる際の課題は一体感だけではありません。力を入れた空間演出がうまくいきそうにみえても、デジタルサイネージの電源やケーブルが見えてしまうと一気に現実味を帯びてしまい、せっかくの演出が台無しになってしまいます。空間演出の成功にはケーブルを隠す場所や設置方法についても良く考える必要があります。
■コンテンツ作成のポイント
コンテンツを作成する際には気を付けたいことがあります。
・制作会社に依頼する際は内訳を把握しよう
配信するコンテンツを映像制作会社に依頼することはよくあることだと思います。外部に依頼する際、見積書に書かれている費用内訳は確認しておくべき点といえます。動画やコンテンツを作成した経験がないと何にいくらかかっているのか目安が分かりません。また見積書の内訳に不要な項目があっても気付けません。良いコンテンツ作成のためにも、製作費の内訳はきちんと確認しておきましょう。
・他社に依頼するポイント
他社に作成を依頼する場合は、「どのような目的で、どのような活用方法をするのか」を明確に伝えましょう。配信のコンセプトが明確であるとオリジナリティと目新しさが詰まった面白み溢れるコンテンツ制作が期待できます。できれば7W2H(いつ・どこで・誰が・誰に・何を・何故・どれから・どのように・どのくらい)を考えておきましょう。資料としてまとめておくと打ち合わせがスムーズに進みます。また打ち合わせをする際は必ず製作期間やスケジュールの確認もしておきましょう。
・自分たちで作るポイント
社内にコンテンツ制作の知識を持つ人がいるなら自社制作も可能ですが、そうでない場合は満足のいくクオリティのコンテンツを作ることができないかもしれません。簡単なスライドショーであればPowerPointを使っても作成できますが、もっと表現したいことがある場合はプロへの相談を検討する方が良いでしょう。
デジタルサイネージ活用の大きなメリットは動画を流すことができるという点です。デジタルサイネージは空間演出において唯一無二の演出ができるため、これからの空間演出では不可欠な存在になっていくのではないでしょうか。音や光、色などを組み合わせてデジタルサイネージでどのような演出が再現できるか可能性を考えてみると面白いですよ。