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デジタルサイネージコラム

LEDビジョンでより効果的なコンテンツを配信するには?【海外事例紹介】

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LEDビジョンは液晶モニターに比べ設置に関する制限が少ないため、自由にレイアウトできることがメリットの1つです。しかし、どんなに配置にこだわっても肝心のコンテンツがいまいちだと効果を得られなくなってしまいます。そこで今回は、LEDビジョンをより効果的に用いるにはどうすればよいのかをご紹介したいと思います。

 

 

■LEDビジョンで記憶に残りやすいコンテンツとは?

 

まずはどのようなコンテンツを作れば記憶に残りやすいのかということと、何故記憶に残りやすいのかという理由についてご説明いたします。

 

・LEDビジョンは動画コンテンツにおすすめ

LEDビジョンで特におすすめのコンテンツは動画です。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」という理論をご存知でしょうか。忘却曲線の理論には人間が文字を記憶しても20分後には42%を忘れ、1日後には74%を忘れることが実験結果として記されています。つまり一生懸命考えたコンテンツであっても文字ベースのものは1日でおよそ4分の1しか記憶に残らないことになります。一方でアメリカ国立訓練研究所では、「ラーニングピラミッド」という理論を提唱しています。ラーニングピラミッドとは学習定着率をコンテンツの形式別に序列化したものです。ラーニングピラミッドによると、受動的な学習の場合もっとも定着率が低いのは講義形式の学習でわずか5%でした。しかし動画コンテンツの視聴では定着率が20%にまで上昇しています。この2つの理論を鑑みると、受動的なコンテンツの場合、ユーザーは動画コンテンツの方が記憶に残りやすくなる傾向があるといえるでしょう。

 

・動画が記憶に残りやすい理由

動画が人間の記憶に残りやすい理由として、「動きがあることで視覚が捉えやすい」ということが挙げられます。静止画は限られたスペースの中で動きのない画像や文字しか提供することができません。しかし、動画になると画像の中で時間軸が発生し、コンテンツそのものに奥行きが生まれます。奥行きがあることでより多くのことを情報として伝えることができるようになるため記憶に残りやすいといえます。

 

 

■コンテンツを作る際の注意点

 

いくら動画コンテンツが文字や静止画よりも記憶に優位性があるといっても、内容次第では興味を持ってもらえません。そこでLEDビジョンの動画コンテンツ作成時に気を付けたい3つのポイントをご紹介します。

 

・多くの要素を詰め込み過ぎない

有名なミラーの法則によると、一般的に人間が作業記憶に保持できる記憶数は約7個とされています。そのため、あれもこれもと情報を詰め込み過ぎてもユーザーの記憶には残りにくくなってしまいます。また、ヒックの法則では選択肢が多くなるほど人間は選択が難しくなるといわれています。これらの法則に沿って考えると、「多くの情報を一度に与えすぎてしまうと、どれが重要な情報なのか分からなくなってしまう」ということがいえます。

よって要素として詰め込む情報は7個前後にとどめておく方が良いと考えられます。

 

・色や画像を効果的に配置する

色や画像は記憶と深い関係があるとされています。人は網膜にある錐体細胞で色を認識します。この錐体細胞は特徴として、「赤」、「青」、「緑」の3色に強い反応を示します。そのため、強く記憶に残すにはこの3色をバランスよく使うことが重要になります。

 

アメリカの分子発生生物学者であるジョン・メディナは自身の研究結果から、「文字と言葉の伝達は72時間後に10%しか記憶に残らないが、画像や写真を加えた場合は65%の記憶が残る」と伝えています。つまり色のある画像を効果的に組み合わせることで、より質の高いコンテンツを作ることが可能になるというわけです。

 

・複数の記憶を刺激するコンテンツにする

「感覚記憶は情報の吸収がもっとも早い」といわれており、視覚だけではなく聴覚など複数の感覚から刺激を受けることにより動画コンテンツが記憶に残りやすくなるともいえます。動画で刺激を受ける感覚は主に視覚、聴覚、運動感覚、口頭などです。どのような動画を作れば複数の感覚を刺激できるのかを考えることが重要です。

 

 

■海外での活用事例

 

https://foter.com/ffff/photo/40476331830/41fd1ae995/

 

最後に、海外で利用されているLEDビジョンを事例としてご紹介いたします。

 

・コカ・コーラ社のビル/ニューヨーク

アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアにあるコカ・コーラ社はビルの一面を1,760個のキューブでできたLEDビジョン広告塔にしました。高さは6階建てのビルに相当します。キューブはプログラムによって複雑な動きをします。キューブそのものが動くことで、動画コンテンツをより動きのあるコンテンツとして発信しています。このLEDビジョンは「世界初の3Dロボティクス広告看板」、「世界最大の3Dロボティクス広告看板」の2つでギネス世界記録に登録されています。

 

・アラブ首長国連邦のタワービル/ドバイ

アラブ首長国連邦のドバイにある世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」は、ビル全体がLEDビジョンです。全高828m、ビル本体の地上高は636m(206階建て)という圧倒的存在感のあるビルの壁面には全体に超高輝度ハイブリッドLEDノードが使用されています。夜になると美しい映像を流すだけでなく、ショーやニューイヤーカウントダウンなどのイベントでは音楽、映像、レーザーを駆使したコンテンツを配信しており、2018年には「1つのビルに映し出された世界で一番大規模なレーザー光線と音によるショー」としてギネス世界記録に登録されています。

 

・ロッテワールド/韓国

韓国の有名なテーマパーク「ロッテワールド」内に建つロッテワールドタワーにもLEDビジョンが使われています。施設内には巨大なLEDビジョンが2枚設置されており、1枚は縦長のLEDビジョンが8枚並べて設置されています。8枚それぞれは単独で上下に動くため、ただの画像コンテンツよりも躍動感のある様々な演出が可能となっています。

 

 

LEDビジョンはコンテンツ作成が成功の鍵となっています。事例のような大規模なLEDビジョンを投入しなくても、ちょっとした工夫で記憶に残りやすいコンテンツ作成は可能です。ただの動画コンテンツではなく、複数の感覚が刺激できるコンテンツを意識して作成しましょう。

 

 

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