デジタルサイネージコラム
今、あらゆる分野でAIの開発が進んでいます。
AI(人工知能)搭載のデジタルサイネージが普及することで、私たちの暮らしはどのように変化するのでしょうか。
今回はAI搭載のデジタルサイネージの可能性に焦点をあててご紹介いたします。
■AIとは
・AIとは
AIとは人間の行動や判断能力を人工的に再現した技術のことで、正式には「Artificial Intelligence」といいます。
AIには1つの分野に特化したタイプと、複数の分野をこなせるタイプがあります。AI技術は様々な分野で導入されており、技術は日々進化しています。
・AIでできること
AIは映像や音声、文字などのデータを収集し、予測をたてることができます。たとえばランニングの際にいつも聞いている音楽があれば、新たに似たような曲を探すなどユーザーのニーズにマッチした情報を取得することができるようになります。
AIは現在、顔認証システムや音声認証システムなどでも活用されています。
・AIではできないこと
AIはデータを複数の情報から収集したあと、それを組み合わせて推測することはできますが、何もない状態から何かを生み出すクリエイティブな作業は苦手です。
また、AIではコミュニケーションをとることも難しくなっています。簡単な応答はできますが、世間話などはできません。
■デジタルサイネージへの搭載で可能になること
・ターゲットに則した訴求ができる
デジタルサイネージにAIを搭載することで、年齢、性別、表情などユーザーの詳細な情報を収集することができます。多くのデータを収集することで高い精度でニーズが分析できるようになり、シーンやユーザーの行動パターンに合わせたコンテンツの表示や商品の提案ができるようになります。
・企業と消費者の距離が近くなる
AIを搭載したデジタルサイネージの特徴として、企業が一方的にユーザーに情報を与えるだけでなく、ユーザーから反応をもらうことで相互的なやり取りが可能になることが挙げられます。どのようなユーザーがタッチパネルで何を調べたのかを知ることでコンテンツに反映できるようになります。
コンテンツが改良されることでユーザーは快適になるだけでなく、コンテンツに高い訴求力を持たせることができます。
・データをもとにビッグデータを解析
AIで収集したビッグデータを解析することでユーザーの興味関心を知ることができ、広告はもちろん商品やサービス開発にも役立たせることができます。
AIで情報を数値化することでユーザーの情報を可視化し、戦略的な広告を打つだけでなくユーザー一人ひとりの満足度を上げられます。ユーザーの満足度が上がることでリピーターにつながり、企業や商品のファンを増やせるようになります。
・未来予測
データを集計することで未来の予測ができるようになります。AIでは多くの情報を収集・カテゴライズすることで、今後の集客などの変動を予測できます。より多くの集客につなげる方法の検討や適切な在庫量の判断ができるほか、予測と実際の状況を比較することで今後の経営について見直す機会を得られます。
■AIを搭載したデジタルサイネージの活用事例
・顔認証システム
<コンビニの顔認証決済>
2020年3月16日からセブンイレブンが社員限定で顔認証決済の実証を開始。事前に顔の画像やクレジットカード情報を登録することで決済時にサイネージに顔を向けるだけで決済が完了するシステムです。
同時に2020年5月から店内にある商品案内サイネージで視聴時間の測定が行われており、視聴時間を調べることで商品に興味を持つユーザーや、商品ごとの人気を特定することを目的としています。
顔認証システムの技術が進むことで対人接客の機会が減り、感染症対策を重視する新生活様式にも高い親和性をもたらすと考えられます。
・インプレッション計測
<駅や商業施設のDOOH>
富士通とLIVE BOARDは、屋内DOOHのインプレッション計測システムを発表しました。このシステムは、AIを活用して群衆の視線をたどり、駅や商業施設などで配信されている広告の視認性、注目度、視聴時間を計測、広告の価値をデータ化し、把握することができるようになります。今後は、インプレッション数に応じた視認性の高い広告の配信が可能になるとともに、広告枠の新たな販売方法が期待されています。
AI技術はさらなる発展が予想されており、今後はAIを見ない場所が少なくなるでしょう。AIの恩恵を受けるには、早期の導入が重要です。デジタルサイネージを導入するなら、AI搭載タイプを選んでみてはどうでしょうか。