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デジタルサイネージコラム

デジタルサイネージの歴史を紐解いてみよう

  • # デジタルサイネージ一般論
  • # LEDビジョン
 

日本はまだまだ海外に比べてデジタルサイネージが普及していません。しかし、しだいに街中や駅で見かけるようになってきました。ユーモラスで個性的なコンテンツも配信されるようになってきましたので、これから日本でどのように活用されるのか楽しみですね!そんなデジタルサイネージですが、いつから登場したのかご存知でしょうか?

今回はデジタルサイネージの歴史についてご紹介いたします。

 

■デジタルサイネージの誕生

まずはデジタルサイネージの誕生についてご紹介いたします。

 

・デジタルサイネージはいつどこで誕生した?

1970年代、アメリカで世界初のデジタルサイネージが誕生しました。

当時は今のようなデジタルサイネージ専用の機材などなく、アパレルショップが店頭に設置したテレビでファッションショーの映像を流していました。

当時はポスター、パンフレットといった紙媒体の宣伝が主流でしたので、映像で宣伝を流すというのは非常に画期的かつ注目度が高かったとされています。

 

・デジタルサイネージが普及する前の広告

デジタルサイネージがまだ登場していない頃は、看板やポスター、のぼりなどが使われていました。大きな看板は一度作成すれば長期間使うことができ視認性も高いですが、製作費などのコストが高いこと、変更が難しいこと、掲載できる情報量が限られるといったデメリットがありました。

ポスターなどは手軽に作成することができますが、劣化が早いので張り替えの手間などがかかりました。

 

・デジタルサイネージの普及はいつから?

デジタルサイネージは1990年代から徐々に普及していましたが、本格的な普及が始まったのは2000年代になってからのことです。通信技術が発達したことで今は当たり前になっている無線ネットワークが誕生し、小型のディスプレイが開発されたことが普及に拍車をかけました。

 

■日本におけるデジタルサイネージ

それでは、次に日本でデジタルサイネージが使われるようになった歴史や、今後の日本におけるデジタルサイネージ市場予測についてご紹介します。

 

・日本にはいつ導入された?

1980年代に新宿アルタの巨大ビジョンである「アルタビジョン」が導入されました。

アルタビジョンが導入された当時はまだデジタルサイネージという言葉はなく、「ビデオサイン」「街頭ビジョン」といった名称で呼ばれていました。

また、電車内に用いられた「トレインチャンネル」がデジタルサイネージの成長を促しました。トレインチャンネル導入時はまだスマートフォンの普及が進んでおらず、電車内のデジタルサイネージは人々の貴重な情報源となっていました。

 

・東京・渋谷のスクランブル交差点

恐らく、日本でもっとも多くのデジタルサイネージが集まる場所が渋谷のスクランブル交差点です。スクランブル交差点の周囲には巨大なデジタルサイネージが6機も並び、その姿は非常に迫力があります。

渋谷のスクランブル交差点はアメリカの人にとっても珍しいようです。アメリカのタイムズスクエアには多くのデジタルサイネージを見ることができる場所がありますが、タイムズスクエアにあるデジタルサイネージは1台につき1企業の広告しか流れません。日本では1台のデジタルサイネージで様々な企業の広告が流れるので、その様子が珍しいようです。

東京・渋谷のスクランブル交差点にあるデジタルサイネージ

 

・今後の日本におけるデジタルサイネージの市場予測は?

世界的にみて日本はデジタルサイネージの普及が進んでいません。しかし、2013年に東京オリンピック・パラリンピックが開催決定となり、数年で一気にデジタルサイネージの普及が進みました。(東京オリンピック・パラリンピックは延期になってしまいましたが…)

デジタルサイネージを含めあらゆる技術が進歩することで、スマートフォンと連動させたり災害時のリアルタイム情報などを配信したりといった生活を豊かにする役割を担い、今後さらなる市場規模の拡大が予想されています。

 

■世界のデジタルサイネージ活用術

最後に、世界のデジタルサイネージの活用術を3つご紹介いたします。

 

・中国のショッピングセンター

中国のIT大手企業アリババは、2018年4月に中国の杭州にショッピングセンター「親橙里(チャンチャンリー)」を開業しました。このショッピングセンターには多くのデジタルサイネージが設置されており、様々なシーンに活用されています。

雑貨店では商品をかざすと自動で商品を認識して説明が入ったり、アパレル店では顧客の体型などを解析して自動的に似合うコーディネートを提案してくれたりといった具合に、デジタルサイネージを活用することで利便性が向上するだけでなく、ユーザーに新たな体験を与えています。

 

・アメリカの自閉症啓発

アメリカ最大の自閉症擁護団体「Autism Speaks」はデジタルサイネージを用いて自閉症の啓発活動を行いました。デジタルサイネージには女の子が映っており、「女の子と目を合わせてみて」とメッセージが表示されます。ユーザーが女の子と目を合わせようとすると、センサーが稼働して女の子の視線がずれてしまいます。どれだけ頑張っても目を合わせることができません。

デジタルサイネージを通じて自閉症の子どもの特徴である「人と目を合わせられない」という体験をすることで、自閉症への理解を深めるために使われました。

 

・カナダのマクドナルドで発行されたクーポン

カナダのトロント市内にあるショッピングモールでは「フレンドフライ」というデジタルサイネージが設置されました。このデジタルサイネージでは2人1組でゲームをすることができます。スマートフォンを使ってURLにアクセスするだけで準備が完了します。

デジタルサイネージにはフライドポテトが表示されており、スマートフォンに表示されたポテトケースにスワイプして移し替えるゲームです。制限時間内に全てのポテトをケースに入れられるとクリアになり、ゲームに参加した2人にマクドナルドのポテトMサイズがもらえるクーポン券が配信されるようになっていました。

 

デジタルサイネージは歴史の長い広告媒体とはいえませんが、様々な工夫によって世界各地で非常にユニークな宣伝効果を生み出しています。日本でもこれからさらなる市場拡大が期待されていますので、海外事例のような独創的なコンテンツが楽しめるようになる日も近いかもしれません。

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