デジタルサイネージコラム
オフライン広告が主流だった時代に比べ、インターネットが普及した現代ではWeb広告が多く活用されるようになりました。効率よく広告を運用するにはそれぞれの違いや特徴を知っておくことが重要です。
そこで今回はWeb広告とオフライン広告の違いや特徴についてご紹介いたします。広告の効率化や効果アップをお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
■ Web広告とは
・Web広告とは
Web広告とはインターネット上のメディアに掲載される広告のことです。インターネットの普及により生まれた広告で、「インターネット広告」や「デジタル広告」とも呼ばれています。
・Web広告の例
主なWeb広告には以下の種類があります。
●純広告
●動画広告
●SNS広告
●リスティング広告
●アフィリエイト広告 など
【純広告】
企業が特定のWebメディアの広告枠を購入して掲載する広告です。代表的な純広告には、Yahoo! JAPANのトップページ右上に表示される「Yahoo! JAPAN ブランドパネルビジョン」があります。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?コストは高くなりますが、不特定多数の人が見るため高い広告効果が期待できます。
【動画広告】
YouTubeなどの動画サイトに掲載される動画コンテンツの広告です。動画を再生する前や動画の途中などに広告が再生されるため、多くの人に視聴してもらえます。
静止画像の広告に比べて伝えられる情報量が多く、広告効果も高いのが特徴です。ただし、静止画像に比べて制作にかかる手間とコストは高くなります。
【SNS広告】
Facebook・Twitter・Instagram・LINEなどのSNSプラットフォーム上に掲載される広告です。
ユーザーの登録情報やSNS上の行動データをもとに、自社の商品・サービスのターゲット層に向けて的確に広告を打ち出すことができます。
【リスティング広告】
ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される広告で、「検索連動型広告」や「PPC広告」とも呼ばれます。検索キーワードに関連した広告が表示されるため、ユーザーがその広告に興味を持つ可能性が高く、高い広告効果が期待できます。その反面、広告の運用には専門知識が必要であり、比較的導入ハードルが高いという面もあります。
【アフィリエイト広告】
アフィリエイター(媒体主)が運営するブログ・サイト・SNSに設置される広告です。一般的なアフィリエイト広告は成果報酬型で、ユーザーがその広告リンクを通して商品やサービスを購入した場合のみ、広告主はアフィリエイターに報酬を支払います。そのため、低コストで運用できるのがアフィリエイト広告の強みです。
・Web広告のメリット
Web広告の主なメリットは以下の通りです。
●拡散力が強い
●効果のデータ化が容易
●コストパフォーマンスがよい
●ターゲティング精度が高い
不特定多数の消費者に向けて表示できるWeb広告は、拡散力が強いのが特徴です。今まで商品やサービスを知らなかった人に購入してもらえる可能性も高くなるうえに、良いWeb広告であればSNS上でシェアされやすくなります。
また、広告の効果を可視化できるのもWeb広告の大きなメリットです。広告の表示回数やクリック数、購入された割合などのデータを分析することで、対策を立てたり広告の内容を迅速に変更したりできます。
コストパフォーマンスが良いところもWeb広告の大きな魅力と言えるでしょう。Web広告のなかにはクリック数や購入数に応じて広告費用が加算されるものもあるため、少ない予算でも最大限の広告効果を出すことが可能です。
また、的確なターゲティングが可能である点も、Web広告のメリットです。たとえば、美容商材を扱う企業であれば、ユーザーのアカウントの登録情報をもとに「40代の美容が好きな女性」だけにアプローチすることもできます。ユーザーが訪問したサイトで興味を示した商品データから、関連商品の広告を表示させることも可能です。
・Web広告のデメリット
一方で、Web広告には以下のようなデメリットもあります。
●効果的な運用には専門知識が必要
●導入後の調整が難しい
●ユーザーの広告への耐性
●停電時は表示できない
Web広告の場合、宣伝したい商品やサービスに合わせた媒体の選定からターゲティングや運用、効果測定まで、Webマーケティングの専門知識が必要です。知識が乏しければ、効果的な広告運用は難しくなります。
さらに、Web広告は常に分析と改善を繰り返し、最適な状態に調整し続けなければなりません。広告を放置してしまえば、他社の広告に埋もれて上位表示されなくなるなど、売上が減少する可能性もあります。
また、Web広告に対してユーザーが耐性を持ち始めているため、場合によっては広告効果が低くなってしまう点もデメリットです。SNS上やサイト上で頻繁に表示されるWeb広告に嫌気がさしているユーザーは多く存在します。そのため、よほど興味を引く広告でない限り見てもらえない可能性が高くなっているのです。
■ オフライン広告とは
オフライン広告とは
オフライン広告とは、インターネット上の媒体以外に掲載される広告すべてを指します。見込み客へ直接配布できたり、見込み客が能動的に入手できたりするため、低コストで高い宣伝効果を得られるのが特徴です。
・オフライン広告の例
主なオフライン広告には以下の種類があります。
●CM類
●新聞・雑誌広告
●フリーペーパー
●チラシ
●デジタルサイネージ
【CM類】
テレビやラジオで放送するCMです。テレビCMの場合は広範囲の人に認知させることができますが、制作や放送にかかるコストが高くなります。ラジオCMの場合はコストを低く抑えることが可能ですが、聞き流しているリスナーも多く、CMに対する反応率が低いことがデメリットです。
【新聞・雑誌広告】
新聞や雑誌に掲載される広告です。新聞広告はタイムリーな広告掲載が可能な反面、1日経つと読んでもらうことが難しくなります。また、新聞の購読者自体が減少していることにも留意しておかなければなりません。
雑誌広告はターゲットが絞りやすいうえに何度も繰り返し読んでもらえるため、高い広告効果が期待できます。
【フリーペーパー】
フリーペーパーとは無料配布される定期発行の情報誌のことです。スーパー、コンビニ、駅構内、郵便局などで消費者が自由に入手できるものや、企業が顧客データをもとに消費者宅へ郵送するものなどがあります。
特定の顧客を的確にターゲティングできるうえに、見込み客にも手に取ってもらえる可能性が高いため、幅広い宣伝効果が見込めます。
【チラシ】
新聞折込やDM、ポスティングなどによって消費者に直接配布される広告です。古くから多くの企業が利用してきたため、一時は時代遅れの広告手法とも言われていました。しかし、近年ではビッグデータを活用して広告効果の高い配布エリアを選定できるようになったため、その価値が見直されているようです。
【屋外看板/デジタルサイネージ】
ビルの屋上や壁面などに設置される大型の看板や、LEDビジョンなどを利用した「デジタルサイネージ」もオフライン広告の一種です。街中や公共施設に設置することで多くの人の目に留まることが期待できます。最近では、広告視聴数をリアルタイムで計測できるカメラ搭載型のデジタルサイネージなども登場し、多くの企業から注目を集めています。
・オフライン広告のメリット
オフライン広告のメリットは以下の通りです。
●自社制作すればコストを抑えられる
●企業イメージが向上する
●競合が少ない
●導入ハードルが低い
紙媒体のオフライン広告は、パソコンのソフトを使用して自社制作することもできます。印刷代は必要ですが、Web広告に比べれば低いコストで制作することが可能です。
さらに、オフライン広告の種類によっては「企業イメージ」の向上にもつながります。巨大なデジタルサイネージの掲示や有名雑誌への掲載、テレビCMでの紹介などは特に強力なブランディングになるでしょう。
また、競合が少ないことや導入ハードルが低いこともオフライン広告の強みです。現在、広告市場においてはWeb広告が主流ですが、Web広告では全国の同業他社が競合になってしまいます。また、Web広告は専門知識が必要なため導入ハードルも決して低いとは言えません。
オフライン広告は地域を絞ることができるため、競合が少なく運用するのに専門知識は不要です。Web広告に比べて力を入れていない企業が多いオフライン広告市場は、今まさに狙い目と言えるでしょう。
・オフライン広告のデメリット
一方で、オフライン広告には以下のようなデメリットもあります。
●外注だと高額になる
●内容の変更に手間がかかる
●商品ごとに向き・不向きがある
●広告効果が可視化されにくい
オフライン広告の作成を外注すると、場合によっては高額になることがあります。また、一度制作したオフライン広告は容易に修正できるものではないため、内容の変更に手間とコストがかかってしまうのも難点です。
さらに、地域やターゲットを絞って行う広告手法であるため、扱う商品・サービスによっては適していない場合もあるため、最適な方法をしっかり見極める必要があります。また、Web広告に比べて広告効果を数値化しづらいため、改善策を打つことが難しいことがあるのもデメリットとして挙げられるでしょう。
・Web広告とオフライン広告、どちらを選ぶべき?
■ Web広告とオフライン広告の違い
Web広告とオフライン広告のどちらを選ぶべきかは、自社の商品やサービスによって異なります。そのため、「集客したいペルソナ」を明確にし、「顧客が商品・サービスを知ってから購入するまでのプロセス」などを設計したうえで判断することが大切です。
また、Web広告とオフライン広告それぞれにおいて、上記で紹介した手法以外の活用方法も検討してみる必要があるでしょう。
・Web広告とオフライン広告の活用方法
<Web広告>
Web広告の活用方法の一例を紹介します。
● WEBサイト
・活用方法
自社のサービス(商品)の情報や企業情報を掲載し、検索エンジンの上位表示を狙う。
・メリット
ブランディングや他社との差別化につながる
・デメリット
サーバーやサイトの維持費が必要なうえに、立ち上げに労力と時間がかかる。また、専門知識も必要。
● 動画
・活用方法
YouTubeなどの動画サイトで自社のサービスや商品を訴求する。
・メリット
ユーザーからの信頼が得やすく、ファン化がしやすい。ユーザーに直接訴求が可能。
・デメリット
人気動画に視聴が集中するため、宣伝の難易度が高い。また、撮影・製作に工数がかかる
● オンラインイベント
・活用方法
オンラインセミナー、オンライン展示会などを開催し、自社のサービス・商品をアピールする
・メリット
費用を抑えての集客が可能で、自宅で視聴できるため視聴ハードルも低い。顧客の声を集めやすい。
・デメリット
視聴者の集中力が途切れやすく、反応が読みづらい。
<オフライン広告>
オフライン広告の活用方法の一例を紹介します。
● 展示会
・活用方法
1つの会場に多数の企業が出展し、自社の商品・サービスを来場者に直接宣伝する。
・メリット
大量の名刺交換により見込み客を獲得しやすい。
・デメリット
機材の手配や設営などの手間がかかる。人員配置が必要。
● セミナー
・活用方法
無料セミナーを開催し、セミナー終了時に商品・サービスの宣伝を行う。
・メリット
商品・サービスに興味のある層を集客できる。セミナーで信頼を得ることができれば、成約率が高い。
・デメリット
会場費用がかかる。セミナーのキャンセル率が高い。
● セット販売
・活用方法
自社サービス・商品を他社のサービスや商品とセットで販売してもらう。
・メリット
他社の集客力や認知度を借りて自社のサービスや商品を宣伝できる。
・デメリット
自社と他社の両方のニーズがある顧客にしかアプローチできない。
■ Web広告とオフライン広告のどちらにも強いデジタルサイネージ
・Web広告として使われるデジタルサイネージ
Web広告としてのデジタルサイネージは、街中の看板やホテル・商業施設の案内板などで活用されています。インターネットに接続しているため、顧客が求める情報を的確かつリアルタイムに配信できるのが強みです。
ホテルなどのデジタルサイネージでは当日の天気や交通情報を表示したり、街中のデジタルサイネージでは緊急速報などにも対応もできます。
・オフライン広告として使われるデジタルサイネージ
オフライン広告としてのデジタルサイネージは、飲食店のメニューやイベント会場の案内板、博物館や美術館の展示物を説明するためのディスプレイなどに使われています。
静止画像と比べて臨場感あふれるアクティブな演出ができるのが強みです。また、タッチスクリーンを導入すれば、主催者側と顧客側の双方向のコミュニケーションが可能になります。
・注目を集める「O2O」
O2Oとは「Online to Offline」の略語で、オンラインとオフラインを連携させたマーケティング施策のことです。Web広告を活用して実店舗(=オフライン)へ送客したり、反対にオフライン広告からオンライン店舗に送客したりなど、新規顧客を獲得するための即効性が高い施策として注目されています。
・O2Oの施策例
代表的なO2Oの施策には、クーポンやポイントをプレゼントして集客する方法があります。たとえば、以下のような例です。
実店舗で利用できるクーポンやポイントなどをWeb広告で配布し、実店舗の集客につなげる
実店舗のデジタルサイネージ上で表示されたQRコードを読み込んでもらい、オンライン店舗で利用できるクーポンをプレゼントする など
またデジタルサイネージの強みは、「美しい画像や動画によって売りたい商品の色味や質感をリアルに伝えられる点」にあります。その強みを生かして、実店舗のデジタルサイネージでオンライン店舗の人気商品などを紹介すれば、オンライン店舗への集客効果も見込めるでしょう。
■ まとめ
Web広告とオフライン広告はうまく使い分けることで、より高い広告効果を生み出すことが可能です。また、実店舗とオンライン店舗の両方を運営している場合は、両方の広告手法を組み合わせることで相乗効果も期待できます。
店頭のオフライン広告ならデジタルサイネージの導入がおすすめです。デジタルサイネージをO2Oマーケティングに活用して魅力的なコンテンツを配信すれば、今までにない集客効果が現れるかもしれません。
エヌエスティ・グローバリスト株式会社
デジタルサイネージ事業部